太子町にてボランティア活動をおこなっている「太子街人(ガイド)の会」の皆さんが三尼公(にこう)の絵解き用絵伝を作っているということで太子タウンでは制作現場にお邪魔させて頂きました。
この記事では、「絵伝について」や「制作秘話」をはじめとするお話を伺ったのでご紹介します。
制作中の三尼公(にこう)の絵解き用絵伝
三尼公の絵解き用絵伝は、2023年10月13、14、15日に西方院で開催される「第1回太子芸術祭 てらあーと」にて披露される作品です。
大きな和紙に、聖徳太子の乳母であった三尼公と呼ばれる「善信尼」、「禅蔵尼」、「恵善尼」のそれぞれのストーリー描写が描かれています。
この三人の乳母が建てたのが今回イベントが開催される「西方院」であるといわれているんですね。
太子街人の笠原さん、原さん、片本さん、鎌田さんは、絵伝にて分かりやすいように、三尼公の絵を制作していらっしゃいます。
てらあーとでは、絵伝を見ながらお話を聞けるということで、とても楽しみです!
三尼公の絵解き用絵伝について質問してみた
街人の皆さんに「三尼公の絵解き用絵伝」について質問させて頂きました。
どうやって絵伝に使用する絵を選んだんですか?
江戸時代に出版された版画の本がありましてね。
その中に挿絵に着色している大変貴重な絵伝が日本に10本ほどあり、この挿絵をもとに三尼公の絵解き用絵伝を制作しているんですよ。
「制作にあたってどんなところが難しいですか?」
江戸時代の絵なので、当時の色使いが分からないところですね。
先程お話した挿絵に着色されている資料からこんな色かなと想像して色を塗っています。
絵伝の色にご注目!
絵伝に使用している絵の具について質問しました。
「絵伝に使用されている赤色が深みがあり非常に美しいです。これはどんな絵の具なんですか?」
実はこの絵伝に使用している絵の具は普通の水彩絵具とは異なるんです。
これは「顔彩(がんさい)」といって、日本画や俳画、墨彩画などによく使用されるもので、岩絵具などの顔料を「膠(にかわ)」で定着させたものなんです。
この絵の具を使用することで日本伝統のどこか懐かしい色合いが再現できるんですよ。
太子街人の会 三尼公の絵解き用絵伝はここで見れる!
太子街人の会 三尼公の絵解き用絵伝は、「第1回太子芸術祭 てらあーと」にて初披露です。
てらあーとでは、絵伝と同時に「聖徳太子紙芝居」もおこなわれるので、ぜひ足をお運びください。
太子街人の会の皆さんがおこなう催しは、以下の時間におこなわれます。
曜日によって時間が異なるためご注意ください。
10月13日(金) | 聖徳太子紙芝居(1回目:10時30分〜 2回目:14時〜) | |
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三尼公絵解き(1回目:11時〜 2回目:14時30分〜) | ||
10月14日(土) | 聖徳太子紙芝居(10時〜) | |
三尼公絵解き(11時45分〜) | ||
10月15日(日) | 聖徳太子紙芝居(1回目:10時30分〜 2回目:11時30分〜) | |
三尼公絵解き(1回目:11時〜 2回目:12時〜) |
おわりに
太子街人の皆さん、本日は貴重な制作現場を見せて頂きありがとうございました。
制作途中にお邪魔したので「ここはどんな色にしようか?」「挿絵はこの表情で書きましょうか?」など皆さんで話し合いながら作品を完成させていく現場に出会うことができました。
「太子街人の会」の皆さんは、太子町の歴史や文化的な遺産を守るために日々活動されています。
以前ご紹介した「太子街人の会」についてまとめた記事もぜひご覧ください。