【太子のヒト 22-23人目】「唐川ホタルを守る会」初代会長 和田 俊市さん・現会長 山本繁利さん インタビュー

「太子のヒト 」では、大阪府太子町にお住まいの方にインタビューをおこなっています。

第22人目と23人目は「唐川ホタルを守る会」初代会長で現在顧問をされている和田俊市(わだ しゅんいち)さんと現会長の山本繁利(やまもと しげとし)さんです。

荒川に生息するホタルの保護・育成、そして河川清掃活動まで精力的に活動されている「唐川のホタルを守る会」。

本日は、会を立ち上げた初代会長(写真左)と現会長(写真右)にお話を聞かせていただきました。

「唐川ホタルを守る会」について

ー「唐川ホタルを守る会」はどのような団体ですか?

(和田)「唐川ホタルを守る会」は、平成17年に立ち上げたボランティア団体で、今年で16年目を迎えました。
現在は30名ほどで活動をおこなっています。

ーどのような活動をおこなっているのですか?

(和田)唐川に生息するホタルの保護と育成をおこなっています。
平成23年には、大阪府がおこなう「アドプト・リバー・プログラム」の認定を受けました。

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そこから太子町役場を通して大阪府から河川の清掃・草刈りのための助成金をもらい活動しているボランティアグループです。

「唐川ホタルを守る会」を立ち上げた経緯

ー「唐川ホタルを守る会」はどういった経緯で発足したのですか?

(和田)今から25年ほど前に唐川が河川改修されたんです。
しかし、工事が進むにつれホタルが生息していることが分かりました。
そこで役場がホタルはどういう生態系なのか調査することになったんです。
大阪にある大泉緑地に生態系を調べている専門家がいて、役場がコンタクトを取りましてね。
実際にその専門家の方に唐川のホタルを見ていただいたんです。
すると、やっぱり唐川にホタルがいることが判明したんですよ。
唐川のホタルを守るために役場から私(和田さん)に声がかかったのがはじまりでしたね。

ーなぜ和田さんに声がかかったのですか?

(和田)実はその川の改修工事をしていた会社に勤めていたんですよ。
唐川の工事は、約10年間ほどかけておこなう大工事でした。
そのような経緯から役場の方も私に声をかけてくださいました。

ー「唐川ホタルを守る会」を発足する時に感じたことを教えてください。

(和田)「そこにホタルがいるなら やりきる!」という気持ちでした。
その当時、「ホタル狩り」という文化や風習があったんですけどね、「生態系がある程度落ち着くまで待ってほしい」と頼んだことを今でも覚えています。

「唐川ホタルを守る会」実際の活動内容

ー「唐川ホタルを守る会」の具体的な活動内容を教えてください。

(山本)だいたい毎年1月頃から活動を開始しています。
唐川周辺の草刈りや、清掃活動、9月にはホタルの餌となる「カワニナ」という貝を捕獲しにいきます。
小さな貝をバケツいっぱい取ってきて唐川に撒いているんですよ。
あとは、ホタルに車のヘッドライトが当たってもまぶしくないよう、遮光幕を張っています。そうするとホタルがよく見えるし、ホタルも飛んでくれる。
あと、ホタルの期間中は外灯を消したりもします。
それ以外にも、ホタルが見頃を迎える5月後半から6月上旬にはホタルパトロールとして唐川周辺の見守り活動をおこなっています。
そこで小さい子供向けにライトを照らすと光るホタルTシャツを販売して資金源にしていますが、これが意外と人気なんですよ。

昔の唐川の様子について

ー今年はホタルの数が少ないように感じました。昨年度の様子を教えてください。

(山本)昔は唐川にホタルがたくさんいたんですよ。
今年は台風や大雨の影響で数が少ない傾向にありました。
というのも、雨でホタルの餌が流れてしまうとダメなんですよ。
去年は多かったんですけどね。
こればっかりは自然のことなので、分からないですね。

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今後について

ー「唐川のホタルを守る会」の展望を教えてください。

(和田)実は以前、自分たちでホタルの繁殖を試みたことがあるんです。
オスとメスで卵を産ませて、サナギから幼虫になるまではできたんですがね。
でも、幼虫から成虫にはできませんでしたね。
やはり我々はホタル養殖のプロではないので、繁殖は実現しませんでした。
だから今は自然に任せていますが、ホタルが住める環境作りや餌の確保は今後も変わらずやっていきたいですね。

太子町の方へ

ー最後に一言太子町の方にコメントをお願いします。

(山本)唐川は駐車場に限りがある問題や、トイレはないという状況なのでPRはあまりしてきませんでした。
でもありがたいことに、十数年活動をおこなっていると人づてに口コミで広がり毎年多くの人が来られるようになりました。
ホタルパトロールの期間中は私達は現地に立ってよく鑑賞に来られた方に「どこからき来たんですか?」と聞いたりしています。
すると、案外太子町外の藤井寺、羽曳野、奈良から来られる方が多く、太子町民は少ないんだなという印象です。
ホタルを見慣れているのかな?とも思いますが、ぜひ来年のホタルの時期には町民の方も唐川に足を運んでくださいね。

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