大阪府太子町で見つけた植物をご紹介する太子ネイチャー、第42回目は伝統的な日本の花である「椿(つばき)」をご紹介します。
太子町の町中や民家の庭でも見かけることができる椿ですが、畑地区の「薬師寺」がある森の中でも発見しました。
当たり一面竹林の中に、赤く美しい花がひっそりと咲く様子はとても美しく目を見張るものがあります。
椿(つばき)とは
椿とは外国から伝わった植物でなく、日本原産の花木です。
椿は、日本全国に加えて朝鮮半島や中国、台湾の一部に分布しており、日本において古くから愛させる伝統的な花として有名です。
現在椿は品種改良や自然交配により2,000を超える品種が存在します。
一般的によく見られる椿は「ヤブツバキ」という種類で、日本で最も古い花木です。
開花時期は2〜4月のため、少し暖かさが戻りつつある今の時期に直径5〜7センチ程の色鮮やかな花を咲かせます。
また椿の種はから取れる「椿油」はとても有名で、食用や化粧品、ヘアケア製品の原料として有名です。
椿と日本人の関わり
椿は古くから日本人に親しみを持たれていた証として「古事記」や「日本書紀」という日本最古の書物にも登場し、「日本書紀」には、第12代天皇である景行天皇(けいこうてんのう)が、椿で造った道具を使用したという記録が残っています。
また、江戸時代に入ると椿を大変好んだ二代目将軍徳永秀忠は、多くの場所や土地に椿を植樹します。
これにより庶民にも馴染みが深く、絵画、彫刻、工芸品など芸術作品の題材にとなりました。
椿の花言葉
椿には花の色が赤、白、ピンクがあり、それぞれ花言葉も異なります。
赤の椿の花言葉
「控えめな素晴らしさ」「謙虚な美徳」、「気取らない優美」
白の椿の花言葉
「完全なる美しさ」「至極の愛らしさ」「申し分ない魅力」
ピンクの椿の花言葉
「控えめな部美」、「控えめな愛」「慎み深い」
椿油は自宅でも取れる?
椿油は庭木の椿からも採取することができるのをご存じですか?
椿は、開花が終わり秋になると実が弾けて中にある種が地面に落ちます。
落ちた種を採取して、焦がさないように水分を完全に飛ばすようにフライパンで炒りましょう。
種をすり鉢などですり潰し、蒸し器で蒸します。
蒸し終わったあとにカーゼや茶こしに入れて熱々のうちに絞ると簡単に新鮮な椿油を搾取することができますよ。
絞った椿油はサラダにかけて食べても良いですし、木製のヘアブラシに垂らしこみ、つげ櫛を作ってみるのも良いのではないでしょうか。
美しい花を咲かせる椿は実や種まで楽しませてくれますね。