2月は生活排水対策推進月間と大和川流域水質改善強化月間です

奈良県と大阪の間を流れる大和川は、毎年2月頃になると河川流量が減少することから水質汚染が発生していることをご存知でしょうか。

そこで大阪府では、毎年2月を「生活排水対策推進月間」と定め、川汚れの原因となる生活排水をできるだけ少なくするよう呼びかけています。

日常生活において少しの配慮や生活の改善で、自然環境を守ることが可能です。小さなことから取り組んでみましょう。

南河内にも流れる大和川とは

大和川は奈良県桜井市にある「貝ヶ平山」を源流とし、生駒山を通って大阪の平野、柏原、南河内を流れ、最終的には大阪湾へと繋がる川です。

2009年におこなわれた河川の調査によると、大和川は生活排水など下水道の普及が遅れたこともあり水質汚染が全国ワースト2位でした。

しかし2010年には改善が認められ、環境省の水質基準も満たしています。

現在の大和川では鮎の産卵も確認され、シラスウナギというウナギの稚魚も採れるようになりました。

冬の大和川と生活排水

水質が改善し、生態系を取り戻しつつある大和川ですが毎年2月になると雨が少なくなることから川の水量が大幅に減ってしまいます。

水量の減少に加え、水温も低下することから川の微生物の働きが弱くなり、水質が悪化しやすい状態が起こるのです。

大和川の水質汚染は、私達が出す生活排水が原因といわれ、国土交通省は毎年2月に生活排水を減らす取り組みをおこなっています。

生活排水とは、台所、トイレ、お風呂など私達が日常生活で使用した水のことです。

例えば、お椀1杯分の味噌汁をキッチンの排水溝に流したら、生き物が生息している川に流すために浴槽4杯分の水が必要となります。

お皿やフライパンに残ったわずかな汚れでも、多くの人が生活排水として流せば大量の汚れへとつながることがお分かりいただけるとおもいます。

生活排水の具体的な改善方法

それでは我々の身近にある大和川を守る具体的な方法をみてみましょう。

①調理後の鍋や皿は紙やヘラでかき取ってから洗う
②味噌汁やスープは必要な分だけ作り、排水溝に流さない
③使用済の調理油は、新聞紙に染み込ませたり、固形化させてから捨てる
④石けん、洗剤、シャンプーは適量を使う

生活排水は、水が汚れるだけでなくその他にも有機物質や塩素、窒素やりんなど川に住む生き物にとって毒となる成分が多く含まれています。

小さな工夫でも、皆がおこなうと大きな成果へと繋がります。まずは、できることから実践してみましょう。