太子ネイチャー第9回 フサザキスイセン

大阪府太子町の自然をご紹介する太子ネイチャー、今回は「房咲き水仙(フサザキスイセン)」です。

今回のフサザキスイセンは、竹内街道沿いの妙見寺さんの駐車場付近で撮影しました。

スイセンのほのかに甘い香りが漂ってくると、あたたかな春の気配を感じますね。

フサザキスイセン

スイセンはヒガンバナ科の多年草で、冬から春にかけて白や黄色のラッパ状の花を咲かせる球根植物です。

ニホンスイセンやラッパスイセンなど世界中に様々な種類があり、園芸種としても親しまれています。

古くはヨーロッパの神話に登場しており、日本には平安時代頃に中国から伝来したとされています。

そのなかでも今回写真にあるフサザキスイセンは、その名の通り一本の茎から沢山の花がふさのように咲くスイセンで、ニホンスイセンの一種です。

スイセンはいちど寒さにあたらないと開花しない性質があるため、いま咲いている花は厳しい冬を乗り越えてきた証です。

そう思うと愛らしい花の中にも、自然の強さを感じますね。

スイセンの花言葉

スイセンの花言葉は、その可憐な姿とは裏腹に「うぬぼれ」や「自己愛」です。

これはスイセンの学名「Narcissus(ナルキッソス)」の由来が、ギリシャ神話に登場する美少年「ナルキッソス」からきているためです。

ギリシャ神話のナルキッソスは池に映る自分の美しい姿を愛するあまり溺れてしまい、最後はスイセンの花になったとされています。

このナルキッソスは「ナルシスト」の語源にもなっており、ここからスイセンの花言葉が連想されたといわれています。

スイセンの注意点

とても美しいスイセンですが、実は有毒で口にしてしまうと嘔吐などの強い中毒症状が発生します。

ニラや玉ねぎ、浅葱などに形が似ているため、家庭菜園の近くにあるスイセンを間違えて食べてしまうことが多いようです。

花を触ったり切り花にして楽しむなどではまったく問題ないため、過剰に心配する必要はありません。

小さなお子さんなどが誤って口にしないように気をつけてあげましょう。

フサザキスイセンを探してみよう

今回は竹内街道沿いのスイセンをご紹介しましたが、大阪府太子町の様々な場所で愛らしいスイセンに出会うことができます。

天然の香水とも名高いスイセンを楽しめるのはこの春先の時期だけです。

ぜひお近くでスイセンをみかけたら、この素晴らしい香りと愛らしい花姿を楽しんでくださいね。