太子町の自然を探索してきた「太子ネイチャー」、今回は「ブタナ」をご紹介します。
実はこのブタナは、外来生物法で要注意外来生物として国立環境研究所の侵入生物データベースに掲載されています。
「ブタナ」という名前だけではイメージが湧きにくいこの植物、実は京谷商会の事務所のまわりに大量発生しています。
あなたも一度は絶対に目にしたことがあるはずですよ。
ブタナとは
ブタナ(豚菜)は、ヨーロッパ原産のキク科の多年草です。
ブタナは生命力がとても強く、寒さや暑さ、土壌や水分量、肥料などに関係なく、どこでも育つことができます。
現在ではヨーロッパをはじめ、アメリカ大陸、オーストラリアなど全世界に生息域を拡大しました。
日本でも外来種ではあるものの、すでに全国に定着しており、あぜ道や空き地などでよく見かけます。
ブタナはたんぽぽにそっくり
ブタナの別名は「たんぽぽもどき」といいます。
実はブタナは花だけ見れば、たんぽぽと見分けがつかないくらいそっくりです。
唯一違うのは花茎の長さで、たんぽぽは地面のすぐそばで咲いているのに対し、ブタナは茎が30〜60cmほど伸びて、大人の腰くらいの位置で咲いています。
なぜ豚菜なの?
ブタナの名前の由来は、フランスのブタナの呼び名「Salade de porc(ブタのサラダ)」の和訳です。
豚がたくさん食べるほど美味しいという意味でしょうか。
ヨーロッパでは食用ハーブとして愛されているそうで、若葉や茎はサラダや湯で野菜、揚げ物にすると美味しいそうですよ。
ブタナの根っこも、コーヒーのような風味がするハーブティーとしても親しまれているそうです。
ブタナは駆除対象?
ブタナは根が深く、踏みつけたり伐採してもなかなか枯れません。
そのため群生すれば美しい花畑になるものの、芝生や日本原産の植物を駆逐してしまい、生態系を破壊するリスクが高い生物です。
もしブタナを駆除する場合は、刈り取ったり、根から抜くことをおすすめします。
自治体によっては草木としてゴミに出さず、可燃ごみと一緒に出すよう求められていることもあるため注意しましょう。
たんぽぽとブタナを見分けて楽しもう
ブタナは5〜9月まで、暑い時期を除いて咲き続けます。
知らなければ「たんぽぽかな?」で通り過ぎてしまうブタナですが、実は違う品種です。
たんぽぽとブタナを発見したら、ぜひ違いを探してみてくださいね。