太子町のボランティア活動その1

大阪府太子町には、「寿喜菜(すぎな)の会」という助け合いボランティアグループがあります。

多くの市町村で少子高齢化が避けられない問題となるなか、実は太子町の寿喜菜の会高齢者の支援グループの成功例として全国的に注目されているのです。

第1回目の「太子町のボランティア活動」では、この寿喜菜の会の活動をご紹介します。

寿喜菜の会の取り組み

寿喜菜の会は、太子町役場や社会福祉協議会と連携しながら、さまざまな取り組みを行っています。

支援内容は、ゴミ出し、近所への買い物、庭木の簡単な剪定、話し相手から部屋の模様替えまで、「日常のちょっとした困りごと」全般のサポートです。

また、坂の多い太子町では高齢者の移動が困難であるという課題と向き合い、大阪府では初となる訪問型サービス D(買い物や通院の付き添い支援)をモデル事業としてスタートすることに成功しました。

現在も寿喜菜の会では、太子町の地域住民と連携しながら、太子町の生活支援整備のための協議への参加や、地域交流コミュニティ「いきいきサロン」の開設などで地域の活性化に精力的に取り組んでいます。

寿喜菜の会は「地域助け合いボランティア」の成功モデル

寿喜菜の会で注目すべきことは、高齢者と地域住民が互いに支え合う関係の構築に成功しているという点です。

一般的に民間企業や無償ボランティアでは、どうしても支える側と支えられる側がはっきりとわかれ、支援者が高齢者を支えるという図式になってしまいがちです。

しかし、寿喜菜の会にはそのような一方通行の関係がありません

寿喜菜の会ではただ単に地域の高齢者を支えるだけでなく、活動を通じてサポート会員自身の介護予防や生きがいのある人生を送る手助けにもなっており、win-winの相互扶助関係を作り上げることに成功しています。

「暮らしの困りごとサポーター」として、支援者と高齢者がお互いにささえあい笑い合うことのできる地域助け合いボランティアの成功例がここにあります。

寿喜菜の会の代表の土井勝(どいまさる)さんへインタビューさせていただきましたので、あわせてご覧ください。

【太子のヒト 3人目】土井勝(どいまさる)さん「寿喜菜(すぎな)の会 代表」インタビュー

寿喜菜の会の歴史

寿喜菜の会は、もともと2009年の「安心太子見守りネットワーク事業」に参加していた有志13名が発起人となり、2011年12月に太子町で設立されました。

それまで主体だった郵便物や洗濯物の確認のような見守りだけでなく、もう一歩踏み込んだちょっとした困りごと」の生活支援を行うことで、高齢者が安心して生活できる地域社会の実現を目指しています。

2013年には国の「地域支え合い体制づくり事業」からの補助金を受け、事務所を開設して本格的な「暮らしの困りごとサポーター」としての活動がスタートしました。

2014年には持続可能な生活支援のために有償ボランティアとなり、2018年に「高齢者生きがい活動促進事業」の移動支援、訪問型サービスD、訪問型サービスBをスタートしています。

現在も寿喜菜の会は「地域づくりからの支え合い勉強会」「円卓会議」など地域住民を巻き込んだ場を設けており、必要な生活支援を住民自身で考え、行政への提案や支援策の検討が行われています。

現在の寿喜菜の会の詳しい活動報告はこちらを参考になさってください。

【大阪府太子町】8月寿喜菜(すぎな)の会 活動報告

寿喜菜の会が実現する「ささえあい」の未来

寿喜菜の会の現在のサポート会員の平均年齢は75歳ほどで、最高齢の運転スタッフの方は80代だとうかがいました。

どなたも寿喜菜の会の活動にいきいきと取り組まれており、みなさんとてもお元気なのが印象的です。

日本では高齢化がなにかと話題にされがちですが、寿喜菜の会のささえあいの輪が全国に広がればその課題も解決に近づくのではないでしょうか。

寿喜菜の会では、サポート会員の応募を歓迎しています。
ご興味のある方やなにかお困りの事がある方は、0721-98-4140 (よいしえん)までご連絡ください。