太子タウンでは、毎週筒井完次さんが手掛けた「切り絵でめぐる太子町」を「あ」から順にご紹介しています。
いよいよ今週からは「は」の行に入り、折返し地点に辿り着きました。
今週も歴史的な魅力溢れる太子町をかるたと共にお目にかけたいと思います。
さて、先週は「の:のんびり座った 親鸞聖人(しんらんしょうにん)腰掛石(こしかけいし)」から、仏陀寺に残る腰掛石について解説しました。
本日は、「の」に続き、「は」で詠まれている二上山雌岳の初日の出について解説します。
「は:初日の出 皆で拝もう 初登り」
「切り絵でめぐる太子町郷土史かるた」の「は」の読み札は「は:初日の出 皆で拝もう 初登り」です。
絵札には、朝日で真っ赤に染まる二上山雌岳で、ご来光を拝む登山客の様子がうかがえます。
そして筒井さんは以下のように解説しています。
「元旦早朝に二上山の雌岳山頂で初日の出を拝む毎年恒例の行事。山頂ではお神酒がふるまわれ、多くの人でにぎわう。」
二上山雌岳での初日の出
大阪府太子町と奈良県葛城市、香芝市を股にかける「二上山」は、かつての大和の言葉で「ふたかみやま」と呼ばれていました。
二上山は、まるで「フタコブラクダ」のコブのように北側の「雄岳」と南側の「雌岳」が寄り添って並ぶ山です。
古くから神聖な山と崇められ、万葉集にも登場したことがあるほどです。
そんな二上山は、毎年元旦になると山頂から初日の出を見る登山者で賑わいをみせます。
奈良側から日が昇る光景は、まさに圧巻で一年の最初を迎えるには絶好の場所だといえるでしょう。
雄岳と雌岳のちょうど真ん中にある「馬の背」では、毎年甘酒が振る舞われ、抽選会など催しも開催されています。
「来年こそはどこか素敵な場所で年越しをしたい」とお考えの方は、ぜひ雌岳からの初日の出もご検討くださいね。