【太子のヒト 17人目】筒井完次(つついかんじ)さん 「軒下ギャラリー」主宰 インタビュー

「太子のヒト」では、大阪府太子町内で活躍するヒトや太子町にお住まいのヒトにスポットを当て、インタビューを行う人気企画です。

今回の「太子のヒト」17人目は、太子町の史跡に詳しい筒井完次(つついかんじ)さんにお話をうかがいました!

「軒下ギャラリー」の主宰や「切り絵でめぐる太子町郷土史かるた」の文章作成も手掛けておられ、太子の歴史に造詣が深い筒井さん。

筒井さんのお優しい人となりから、今後太子町でやってみたいことまで、たくさんお話をうかがうことができました。

太子町とのつながり

ー筒井さんはもともと太子町のご出身とお伺いしました

はい。もともとこの家(軒下ギャラリー)で生まれて、40年くらいここで生活していました。

この家は築180年くらいかな?江戸時代末期の家だと聞いています。

ーそれは歴史のある建物ですね!今はギャラリーにされていらっしゃるんですか?

そうですね。今は軒下ギャラリーとして写真や油絵、民芸品などを季節に合わせて展示しています。

この軒下ギャラリーには、だいたい2日に1回くらい油絵を描きに通っているかな。

ー素敵な油絵がたくさん飾られていますね!もともと絵を描くのはお好きだったんですか?

いえ、もともと教員として勤務していて、美術の先生が退職される際に絵画教室に誘ってもらったんです。

そのほかにも写真、あとは登山も何十年か続けています。

ーたくさん活動されているんですね!

先日も、當麻寺(たいまでら)の近くの麻呂子山(まろこやま)に登ってきました。

聖徳太子の弟の麻呂子(まろこ)の名前がついた山であることを最近知って「これは登らなければ!」と思いまして。

ーそうなんですね。太子のこともよくご存知で、本当に勉強になります!

いえいえ、人に教えてもらって、それを積み重ねていっているだけですよ。

筒井さんと軒下ギャラリー

軒下ギャラリーは、筒井さんが奥様と一緒に主催されている古民家を活用したギャラリーです。

取材にうかがった当日はちょうど「懐かしのひな人形展」が開催されており、彩り鮮やかなひな人形や写真、民芸品がたくさん飾られていました。

ー軒下ギャラリーを始めたきっかけは何だったんでしょうか?

もともと太子で開催されていた「竹内街道灯路祭り」に、自分で撮影した写真を出展していたんです。

しかしある年に台風か大雨かでそれが中止になってしまって…その年用に用意していた写真がもったいなかったので軒先に貼り出したのがきっかけです。

ーなるほど。ギャラリー前は小学生の通学路で、ノルディックウォークの方もたくさん通られていますね。

そうなんです。思いの外たくさんの方が見てくださって、声をかけていただけたのが嬉しくて。

写真の展示はもう10年くらいやっているかな。定期的にギャラリーにしたのは、ここ2〜3年なんですけどね。

ー季節に合わせて展示されているんですね。

年に9回くらいかな、写真も行事にあわせて貼り替えています。

今はひな祭りですが、次はこどもの日(端午の節句)に息子たちの飾りを持ってきたり、七夕には笹を切ってきて下校中の子どもたちに短冊を描いてもらったりしていますよ。

写真

ー迫力のある写真からのどかな風景まで、色々な写真がありますね。

写真は40年来の趣味ですね。もともとは教員時代に生徒の写真を撮影していたのがはじまりです。

ーそうなんですね!

ええ。生徒をひとりひとり写して、卒業式でスライドにして流していました。

卒業生全員がひとり1回大写しになるように頑張ったかいがあって、生徒も保護者の方もみんな喜んでくれましたよ。喜んでくださると、嬉しいですね。

ー素敵です!

その後は、山に登ったりしながら、徐々に風景写真も撮影するようになってきました。

そういった写真を元に、油絵も描いているんですよ。

油絵

ー退職された美術の先生に誘われて油絵を始めたとおうかがいしました。

そうですね。今では年に2〜5枚かな。大きさにもよりますね。

油絵は電線を消したり、描きたい風景に子どもを描き足したりできるので、また写真と違った楽しみがあります。

ーたしかに!

もともと富士山が好きなので、富士山がよく見える山に登ってその風景を描いたりもしています。

あとは、人物画も。オードリー・ヘプバーン、永遠の0の岡田准一も描いたことがありますが、よく似ていると言っていただけるんですよ。

筒井さんと太子町郷土カルタ

太子町郷土カルタは、筒井さんが中心となって作成した、太子町の史跡や歴史を盛り込んだ郷土カルタです。

ー太子町郷土カルタを作成したきっかけは、もともと藤井寺の郷土カルタ作成に関わったからだと伺いました。

そうですね。藤井寺高校に勤務していたときに郷土カルタ作成に携わって、せっかくなら太子町でも作りたいと思っていたんです。

それで教育委員になったとき、偶然太子町の文化財関連の方と知り合って「太子町郷土カルタ」を作りたいという話をしたんですね。

ーなぜカルタは切り絵で作成されたんですか?

自分で油絵をイチから描くとなると、何十年もかかってしまいますからね。

太子町の切絵サークルの先生をされていた方が、すでに20枚くらい太子の風景画を作成していらっしゃったのでそれを使わせていただきました。

カルタを見て太子町の史跡を知って、実際に見て「これか!」と思ってもらえると嬉しいですね。

【大阪府太子町】「切り絵でめぐる太子町郷土史かるた」のご紹介

現在計画中の「太子町すごろく」

ー太子町カルタがすごろくになるという噂を聞きました!

そうですね。カルタで紹介した太子町の名所をだいたい3つのルートに分けて、実際に史跡を巡るような順番で進むすごろくを作成中です。

家族で手軽に楽しめて、実際にその順番で巡っていただけたら嬉しいですね。

ー完成が楽しみです!

印刷の大きさや、マスの内容をもう少し考えているところです。

パソコンは苦手なので、まちづくり協会の加納さんと一緒にがんばっています。

太子町へひとこと

ー太子町へひとこと!お願いします。

太子町が大阪の知名度ランキングで最下位だったと聞きました。

あんまり有名になって人がいっぱい来ても困ってしまうけど、最下位はちょっと悔しいので、太子町のことをもっとよく知ってもらえるようになりたいですね。

ずっとこの町に住んでいるから、太子町のこと大好きなんです。

もっと人が増えたり、太子町のことが好きな人が増えれば、とても嬉しいですね。

ー太子町はいいところがたくさんありますよね。

太子町のいいところを3つにまとめると、

①自然がいい

②歴史がある

③聖徳太子の和の心

でしょうか。

カルタのあがりも「和を以て貴しとなす」を持ってきているので、たくさんの人に広まるお手伝いができたら嬉しいですね。

アクセス

時期が合えば、次は桜の写真を展示される予定だそうです。

ぜひ軒下ギャラリーへ足を運んでみてくださいね。

名称 軒下ギャラリー
所在地 大阪府南河内郡太子町山田542
アクセス 近鉄南大阪線「上ノ太子駅」から金剛バスに乗り「太子町役場前」で下車して徒歩約10分
地図

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