大阪府太子町の美しい自然をご紹介する「太子ネイチャー」、第47回は「藤」です。
藤はその垂れ下がった優美な花姿から、庭園や公園などに多く植栽されています。
日本では古事記に藤の和歌が収録されていたり、家紋に使われている、つるは民芸品の材料になっているなど、古くから親しまれてきました。
今回はこの身近な藤についてご紹介しますので、ぜひご覧ください。
藤とは?
藤はマメ科フジ属のつる性の樹木です。
日本の固有種で、本州から九州地方まであたたかな山林でみることができます。
その美しさから全世界で観賞価値の高い樹木として親しまれ、日本では桜に次いで観光客が多い花ともいわれています。
藤の花の特徴
藤の花は、毎年4月後半から5月のゴールデンウィークにかけて満開をむかえます。
ちょうど桜が終わったころから長い房状の花が開き始めるため、ちょうど初夏の頃にうっすらと甘い香りが漂っていたらフジの花かもしれません。
藤はマメ科の植物なので、豆やスイートピーに似た2cmほどの花を群生して咲かせます。
風に揺れる花房は見事で、日本各地の藤棚などで見ることができますよ。
太子町内では、公園や叡福寺の境内でもキレイに咲いていました。
藤の花色
古来日本では紫色は「藤色(ふじいろ)」とされ、高貴な身分の象徴でした。
しかし藤には「藤色(青みがかった紫)」のほか、淡い紫、明るい桃色、薄桃色、白、などさまざまな色があります。
藤の花言葉
藤の花は昔から歌舞伎の演目の「藤娘」にもみられるように、たおやかな女性の象徴とされていました。
そのため花言葉も紫の藤には「恋に酔う」、白い藤には「可憐」「懐かしい思い出」など、女性的な表現が多くあります。
藤の花言葉はさまざまですが、「歓迎」「忠実」「優しさ」「決して離れない」などが代表的です。
藤の花って食べれるの?
藤の花には毒がある、と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし毒があるのは種(豆)の部分で、藤の花には毒はありません。
そのため、花は洗って天ぷらにしたり、シロップ漬け、花酒などに加工されています。
また、若芽や若葉も食べることができ、おひたしや和え物、天ぷら、炒めものなどにしても美味しいですよ。
ただし、ほかのマメ科の植物と同じように生食や多量摂取には適していないため、食べすぎには注意してくださいね。
藤の花は散りやすい
藤の花の見頃はゴールデンウィーク頃ですが、雨や風に弱いため風雨が続くと早く散ってしまうことがあります。
太子町ではまだまだ藤の花を見ることができますので、見かけたら花色から香りまで、ぜひ堪能してみてくださいね。