高野山真言宗「南林寺(なんりんじ)」は、叡福寺の南大門向かいにある西方院より、さらに奥まったところに建っています。

もとは叡福寺の僧が集まって修行する最古の伽藍(がらん)講堂でした。

南林寺に祀られている阿弥陀如来像は聖徳太子の作ではないかと言われています。

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1574年、織田信長の兵により叡福寺が焼失したのと同じ時に、元の南林寺も焼け落ちてしまいました。

1649年になり日本の第108代天皇である後水尾(ごみずのお)天皇のおはからいで、現在の本堂が再建され「仙人嶽(せんにんだけ)南林寺」と称されます。

1651年に後水尾天皇が出家して円浄(えんじょう)法皇となり南林寺の最初の住職に就任されたため「御皇所(ごこうしょ)南林寺」とも呼ばれたようです。

1649年の再建ということは、すでに築370年以上となりますね。

円浄法皇は和歌や茶道、書道に長じていたこともあり、南林寺には

「夕されば衣手さむしみよし野の芳野の山に深雪ふるらし」

という和歌が残されています。

南林寺の仏教の理論を学ぶ学問寺としての格式はとても高いものだったのですが、明治初期の仏教を廃止しようとする動きである「廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)」で甚大な影響があり、住職がいない無住寺となってしまいました。

建物は荒れ果て、昔の面影は失われてしまいます。

明治中期になって叡福寺の管理下に入した際、高野山金剛峯寺の末寺となり宗派も真言律宗から真言宗へ変わりました。

昭和40年くらいまでは毎年9月26日に「牛滝山」をお祀りしていて、大学の相撲部が相撲を奉納したり、農作業や移動に使っている牛のお祓いを行ったりととても賑わっていたそうです。

南林寺の護摩厳修

毎月28日は「お不動さんの縁日」です。南林寺では月に一度護摩厳修を行っています。

護摩厳修とは護摩木という木の札に願い事を書き、その木を焚いて不動明王に祈る密法の事。護摩の火は、智火(ちか)とも呼びます。火は不動明王の智慧(ちえ)を象徴し、 薪は煩悩を表しているそうです。薪が焼ける事で煩悩が焼き払われ、護摩木の願いが清浄になり、清らかになった願いは不動明王に受け入れていただけると言われています。

南林寺の護摩厳修は10:30から、11:00ごろからは住職のお話をお聞きする「法話」の時間になっていて、どちらもどなたでも立ち寄りお参りすることができるとのこと。

護摩厳修の参拝方法が分からなくても、その場で教えていただけるので安心してお越しください。

現住職である野口真龍住職の法話は、堅苦しいものではなくユーモアたっぷりでとても楽しいですよ。

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アクセス

名称 南林寺
所在地 〒583-0995 大阪府南河内郡太子町太子1563
電話番号 0721-98-0550
アクセス 近鉄南大阪線「上ノ太子」駅から金剛バス太子線に乗り「聖徳太子御廟前」で下車 徒歩10分
地図

※駐車場有り