「かるたでめぐる太子町」では、筒井完次さんの「切り絵でめぐる太子町郷土史かるた」を解説しています。
前回は、「り」の句から、聖徳太子伝説にまつわる丘「五字ヶ峯(ごじがみね)」についてご紹介しました。
今週は、「る」で詠まれている、太子町山田にある寺院のお話です。
かるたでめぐる太子町「る:累代(るいだい)の仏像遺る 畑の薬師寺」
「切り絵でめぐる太子町郷土史かるた」の「る」の読み札は、「る:累代(るいだい)の仏像遺る 畑の薬師寺」です。
まず絵札には、自然豊かな静寂の中に佇んでいる薬師寺が描かれています。
緑に囲まれた境内は、落ち着いた雰囲気が漂っています。
石のスロープが境内へと続いており、参拝者が歩きやすいように配慮されているのが印象的です。
周囲の木々は長い年月を経てきたことを物語っているようです。
草花は紅葉しているのでしょうか。自然の美しさを引き立てていますね。
そして、筒井先生の解説は以下の通りです。
「太子町山田にある寺院です。
河内新西国 第三十三の札所にもなっています。
本尊は、薬師如来像です。
往昔は、栂の宮付近の鎮守山にあったと伝わり、その後、この地へ移ってきました。」
畑の薬師寺
大阪府太子町山田にある薬師寺は、河内新西国第三十三の札所として知られる歴史ある寺院です。
本尊の薬師如来像は、病気平癒や健康長寿を祈る人々に崇敬されていました。
薬師寺の歴史は古く、かつては栂の宮付近の鎮守山にありましたが、後に現在の地に移されました。
この地域にはかつて観音寺という寺院が存在し、札所としての役割を担っていました。
現在では観音寺はなくなり、薬師寺だけがその役割を引き継いでいます。
残念ながら、札所本尊の観音菩薩像は失われていますが、観音講は現存し、地域の信仰を支え続けています。
薬師寺は地域の人々との深い結びつきを持ち、長い歴史の中で多くの人々に愛されてきました。