叡福寺の大乗会式は太子町では「太子まいり」と呼ばれ親しまれていて、聖徳太子の命日にちなみ、4月10日から12日までの3日間行われます。

献茶式(けんちゃしき)

本日4月12日は午前11時から聖霊殿(せいりょうでん)表千家家元による献茶式が執り行われていました。
献茶式とは崇敬の心で神仏や御霊にお茶をお供えする儀式のことです。

柴燈大護摩厳修(さいとうおおごまごんしゅ)

午後からの柴燈大護摩厳修(さいとうおおごまごんしゅ)は、晴天の中粛々と執り行われました。

護摩(ごま)とは真言宗で神仏への供物を火を焚くことで天に届ける儀式のことで、そのなかでも柴燈大護摩厳修は屋外に祭壇を築き天下泰平、五穀豊穣、家内安全などを願う儀式のことです。

高野山真言宗からお越しになった行者の皆様が、法螺貝を吹きながら入場すると、場の空気がきりりと引き締まります。

整列の後、それぞれ斧、剣、弓にて場内の穢れを祓い、結界がはられてゆきます。
弓から放たれた矢は開運のお守りになるようで、いらっしゃっていた皆様がご利益にあやかろうと盛り上がっておられましたよ。

お言葉の中に感染症退散やウクライナの戦争に触れる場面もあり、世界平和へのご祈願がご参拝の皆様の心にも届いたのではないでしょうか。

叡福寺には緋色の僧衣をまとった真言宗 護國派 北野宥範管長もいらっしゃっており、火をくべた大護摩の前でご祈祷をなさっています。

大きく燃えた火は天へと届く勢いで、拝観していた私達の元へもその熱気や煙が届いてきます。

柴燈大護摩厳修の後におそばに寄ると、火に護摩をくべていらっしゃった行者のお袖には火の粉によるものか小穴が散見され、火の激しさを物語るようでした。

叡福寺の大乗会式のクライマックスにふさわしい、とても厳かな儀式でした。

その後、叡福寺にて餅配りが行われ、聖徳太子にお供えしてあったお餅のお下がりを頂戴しました。

お坊さんが「1400年前から受け継がれてきた『和を以て貴しとなす』という、みんなで仲良くというお太子様の言葉をこれからも心のなかで大切に」と仰っておられたのがとても印象的です。

来年もぜひお参りしたいと心から感じる、荘厳な一日でした。

【太子町太子】叡福寺(えいふくじ)大乗会式(だいじょうえしき)2日目 金堂法要(こんどうほうよう)、聖霊殿御法楽(しょうりょういんごほうらく)、御廟参拝詠歌奉納(ごびょうさんぱいえいかほうのう)

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