太子ネイチャー 第49回 オトギリソウ

太子の四季折々の草花を紹介してきた太子ネイチャー、今回は「オトギリソウ」です。

古くは薬草として重宝されてきたこのオトギリソウですが、実は名前の由来は血に濡れた伝説がもとになっているのをご存知でしょうか。

それでは今回は、黄色くて可憐なこの花を一緒に紐解いていきましょう。

オトギリソウの写真は、太子町春日にある妙見寺前で撮影しました。

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オトギリソウとは

オトギリソウは、日本全国や中国大陸など広範囲に自生する多年草です。

日当たりが良ければ、山や林、道端など、どこにでも生える強い生命力を持っています。

2cmほどの黄色い小さな1日花を数個ずつ咲かせ、この花や葉に黒点があることが特徴です。

また、オトギリソウは花を潰すと紫色になります。

オトギリソウは薬草

オトギリソウの茎や葉は薬用で、民間では止血に使われてきました

そのため「チドメグサ(血止め草)」「タカノキズグスリ(鷹の傷薬)」などの別名があります。

中国では「小連翹(しょうれんぎょう)」と呼び、口内炎や歯痛、のどの痛み、風邪、切り傷、軽い火傷、腫れ物、湿疹など様々な用途で使用されています。

オトギリソウ(弟切草)の名前の由来

オトギリソウは漢字で「弟切草」と書き、2つの伝説が元になって名付けられました。

ひとつは「平安時代にオトギリソウを用いた秘伝薬の製法を弟が恋人に漏らして、兄が激怒して弟を斬り殺した」というもの。

もうひとつは「鷹の傷薬の秘密を、弟が他人に漏らしたため、怒った兄に斬り殺された」というものです。

オトギリソウにみられる黒い点は、斬り殺された弟の血痕だとか。

このような不吉な伝説がもとになっていることもあり、オトギリソウには「怨念」「迷信」と少し不気味な花言葉がつけられています。

オトギリソウは意外と身近に

オトギリソウはあまり目立ちませんが、よくよく探してみると意外と身近に咲いています。

薬効はありますが、むやみに皮膚につけると炎症を起こす可能性があるのでご注意くださいね

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