毎月24日はお地蔵さんの縁日です。
特に8月の23、24日は「地蔵盆(じぞうぼん)」とよばれ、1年の中でも特にご縁の強い期間とされています。
この地蔵盆は、主に近畿地方で盛んな行事です。石地蔵に花を供えて祀る風習に覚えがある方も多いのではないでしょうか。地域によってお供えや、飾りが違っています。
今回は、太子町春日地区の地蔵盆についてご紹介します。
太子町の地蔵盆とは
大阪府太子町では昔から8月23、24日は「地蔵祭り」と呼ばれ、お堂を清め、お地蔵さんに花や駄菓子などのお供えをします。
お地蔵さんのお堂前には「地蔵尊」とかかれた大きな提灯や、個人名を書いた小さな提灯がつるされ、とても華やかです。
この提灯には日暮れから灯がともされ、昔は町内会や近隣のみなさんがお参りをしたり、出店などで賑わったそうです。
お地蔵さんは子どもを守ってくれるという信仰が各地に残っているため、太子町でも赤ちゃんが生まれた家などは提灯を新しく作る風習があったといわれています。
地蔵盆のお供えはとてもカラフル
太子町春日地区の地蔵盆のお供えは、とてもカラフルです。落雁、盆菓子、ミニうちわなどの供物。人参、ナス、キュウリや梨、そして積まれた丸餅、丸く整えられたお赤飯が用意されています。
そしてユニークなのが、人参やかぼちゃ、するめ、しいたけなどで作られた人の顔に似せて飾り付けられたお供え物です。
お地蔵さんの前でニッコリ笑顔でほほえむ様子は、第二のお地蔵さんのようです。
太子町のお地蔵さん
太子町にはたくさんのお地蔵さんが祀られており、その多くは花崗岩でつくられた船形の石仏です。
ここでは、代表的な2つのお地蔵さんをご紹介します。
泥かけ地蔵(太子町太子627)
太子町を代表するお地蔵さんで、高さ1.36mもあります。
全国でも珍しい構造をしたお堂に安置されており、中世末ごろから太子町では大切に信仰されていました。
大道東端(太子町山田1940−1)
竹内街道歴史資料館のちかく、大道地区にあるお地蔵さんです。
竹内街道の峠を越えた先の奈良(大和)の文化に影響を受けているとされており、太子町では唯一7月23日を地蔵盆としています。
そのほかのお地蔵さんについては、「太子町の「お地蔵さま」をご紹介」の記事でまとめていますのでぜひご参照ください。
地蔵盆の伝統を伝えていこう
太子町の地蔵盆は、今でも地域の方々によって大切に伝承されています。
なかなか地元の文化が残りにくくなっている現代ですが、太子町を見守ってくれているお地蔵さんをこれからも大切にしてゆきたいですね。
写真提供:太子町春日地区栄町町内会