大阪府太子町の伝統食、「あかねこ餅」をご存知ですか?
ふわふわっとした柔らかい食感に、麦のぷちぷちとした歯ざわり、甘じょっぱいきな粉とからめると疲れが吹き飛ぶ美味しさです。
大阪府太子町でJAの生活改善クラブの方々が「あかねこ餅」をつくっている現場を見学させていただきました。
あかねこ餅づくりを見学!
5月中旬、大阪府太子町のJA南大阪太子支店にて、生活改善クラブのみなさんが「あかねこ餅づくり」をされていました。
太子町の生活改善クラブでは地域の方からご依頼があった数だけあかねこ餅をつくっているそうで、今年はもち米54kg、平打ちの小麦をその半量の27kgも蒸しておられました。
小麦は奈良県の当麻(たいま)まで買いに行っているそうです。
もち米と麦だけでは固くなってしまうので、1回の餅つきにつき炊いたごはんをお茶碗1杯分ほど混ぜるのがコツなんだとか。
あかねこ餅は地域のみなさんも楽しみにしておられるそうで、現場では大きな蒸し器と、2台の餅つき機がフル稼働しています。
生活改善クラブのみなさまも楽しそうに談笑しつつ、お餅がくっつかないよう木べらで素早くお餅を返したり、使い終わった大鍋を洗ったり、火加減を見たり、とテキパキ動かれていました。
あかねこ餅が搗きあがると、みなさんさっと集まってパックに小分けしてゆきます。
きな粉をまぶす前の熱々のあかねこ餅は、小麦の香ばしいさともち米の甘い香りがなんとも食欲をそそる香りでした。
ちなみにこのきな粉も特別で、白砂糖だけでなく三温糖も混ぜることでコクのある優しい甘みを出しているそうですよ。
突然の訪問にも関わらず皆さん笑顔で迎えてくださり、「食べてみてね」とつきたてのあかねこ餅も頂いてしまいました。
とても美味しかったです。ありがとうございました!
あかねこ餅とは
生活改善クラブのみなさんがつくっておられた「あかねこ餅」は、太子町では和菓子の好月堂さんが季節限定で販売されています。
このあかねこ餅は半夏生餅(はげっしょもち)ともよばれ、太子町含む南河内では田植えがおわったころに神様にお供えしたり、田仕事の労をねぎらうために食べられていました。
もち米だけを搗いたお餅よりも粘りが少ないため、あっさりと食べやすいのが特徴です。
生活改善クラブのみなさま
生活改善クラブの皆様は、地域のつながりを大切に様々な活動に取り組んでおられます。
今回のあかねこ餅をはじめ、太子味噌づくりなども毎年町の方々と一緒におこなっているそうです。
みなさんお忙しい中でも活力があり、和気あいあいと活動されているのが印象的でした。
活動はどなたでもご参加いただくことができますので、お気軽にお問い合わせくださいね。
ご興味があればどなたでも、若い方も大歓迎とおっしゃっておられましたよ。
太子町のあかねこ餅
できたてほかほかのあかねこ餅を、地域の方に配るところへご一緒させていただきました。
あかねこ餅を見ると、皆さん顔をほころばせ、とても嬉しそうだったのが印象的です。
甘くとろけるような味で、地域の方々とのご縁を実感できる、そんな「あかねこ餅」をこれからも大切に引き継いでゆきたいですね。