大阪府太子町の自然を巡る太子ネイチャー、今回は「関山(カンザン)」をご紹介します。
こちらの写真は、太子町聖和台の住宅街で撮影しました。
青空に優しげな薄桃色の八重の花が揺れて、とても愛らしいですね。
関山(カンザン)とは
カンザンは日本原産の桜の仲間で、4月下旬から咲き始めるサトザクラ系の八重桜です。
一般的な桜「ソメイヨシノ」が散った後に咲き始めるため、桜としては遅咲きです。
その花は濃い紅紫で大輪、花もちがよく長期間楽しむことができるため、学校や神社など様々な場所に植樹されています。
重なり合う花びらは50枚を超えるため、見ごたえがある美しい日本の伝統種として愛されています。
カンザンの歴史
カンザンは江戸時代に、白花のオオシマザクラの突然変異種として誕生したといわれ、武家屋敷や神社などに好んで植えられていました。
しかし明治時代の社会変革により多くのカンザンが伐採され、一時は種の消滅の危機に瀕しています。
その後、荒川堤など各地でこのカンザンの植樹がはじまったことで絶滅の危機を回避し、近年では様々な土地でその優美な姿を見ることができるようになりました。
現在では海外でも愛されており、ヨーロッパやアメリカでは盛んに品種改良が行われるようになっています。
ドイツのボンという都市では300本ものカンザンが植えられた並木道が有名観光スポットとなっているそうですよ。
カンザンは食べても美味しい!
このカンザンを塩漬けにしたものは「桜漬け」とよばれ、その色の美しさや香りからさまざまな料理に使われています。
代表的なものは結納などのお祝いごとに登場する「桜湯」や、「桜あんぱん」、和菓子などがあります。
日本では神奈川県秦野市がこの桜漬けの8割を生産しており、5分咲き程度のカンザンを加工して全国に出荷しています。
この秦野市ではカンザンを使った「桜おにぎり」もあるそうですよ。
カンザンを探しに行こう!
大阪府太子町では様々な場所でサクラを見つけることができます。
花期が長いので、見つけたら何日かに分けて花の変化を楽しむのもおすすめです。
そのほかにも太子ネイチャーには「サクラ」の記事や、太子おすすめサクラスポットをまとめていますので、ぜひ参考になさってくださいね。