大阪の南にある太子町に、蘇我馬子の創建とされる曹洞宗の妙見寺(みょうけんじ)があります。
このお寺で2024年1月から月に一度の坐禅(ざぜん)会が始まっています。
坐禅とは
坐禅は、心を落ち着け、自己に向き合う禅宗の練習方法です。
この「坐禅」という言葉は、座って行う瞑想のことを指し、その起源はインドにありますが、鎌倉時代の初期に中国経由で日本に伝わりました。
寺で坐禅をする際には、座布団に独特なあぐらの姿勢を取り、背筋を伸ばして座ることが一般的です。
宗派によって、どのように座るか(例えば、壁を向くか背にするか)や、坐禅の際に何を重視するかが異なります。
妙見寺の坐禅会はご住職のお話から
朝の7時を少し過ぎたあたりから、坐禅会に参加される方々が集まり始めました。
2月11日(日)の参加者は8名。中には1月から2度目の参加という方もおられました。
7時30分になったらご住職について本堂へ入堂し、ご本尊の十一面観音様の前で、座布団(または椅子)に座ります。
ご住職から足の組み方や手で作る形の説明、そして坐禅の目的など10分ほどのお話がありました。
この日の大切な言葉は
調身(ちょうしん)
調息(ちょうそく)
調心(ちょうしん)
この3つでした。
身体を調え、息を調えて、そして心が調うというものです。
「整」ではなく「調」の漢字を使っているのには、意味があります。
「整える」のは型が決まった中で整理・整頓するものです。
「調える」は、ピアノの調律、料理の調味などのように、良くなるための調整を指します。
礼とあいさつの大切さ
手をついて、全員で「よろしくお願いします」の唱和から始まりました。
まずは座布団のほうに向かって合掌して一礼、次に反対を向いてまた同じことをします。
最初の一礼は、両隣に座る人へのあいさつで「隣位問訊(りんいもんじん)」、反対を向いた一礼は「対坐問訊(たいざもんじん)」と呼ばれ、向かい側の人へのあいさつです。
曹洞宗の坐禅は壁のほうを向いて座る「面壁坐禅(めんぺきざぜん)」。坐禅用の座布団である坐布(ざふ)を使ってあぐらをかき、法界定印(ほっかいじょういん)の手の形を作って足の上に置きます。
そして約1メートル先、約45度の角度に目線を落としましょう。
止静鐘(しじょうしょう)の音とともに15分間の坐禅を行います。
歩く坐禅「経行(きんひん)」
15分間の坐禅が終わると、次は5分間の歩く坐禅「経行(きんひん)」です。
まずは、左手の親指を内側にして握り、右手で覆う叉手(しゃしゅ)の形を作ります。
その両手をみぞおちのあたりにくっつけ、呼吸に合わせてゆっくり半歩ずつ本堂の中を歩くのです。
この歩き方は「一息半歩(いっそくはんぽ)」といい、一呼吸ごとに足の甲の長さの半分だけ歩を進めます。
般若心経の読経と茶和会
もう一度、15分間の坐禅をおこなったあとは、参加者全員で般若心経を読みます。最後にまた、手をついて「ありがとうございました」とあいさつをして終わりました。
約1時間の坐禅会のあとは、茶和会の時間です。自己紹介の時間があり初めて分かったのですが、遠方からわざわざ車でいらした方が何人もいて驚きでした。
美味しいルイボスティーをいただきながら、ご住職も交えて楽しい時間を過ごせました。
坐禅といえば、平たい大きな棒の警策(きょうさく)で肩をバシッとたたかれるイメージがあるのではないでしょうか。
修行中のお坊さんは問答無用でやられるそうですが、民間の坐禅会では自己申告制なんだそうです。坐禅中、法界定印の形にしている手を合掌に変えると、警策で罰してほしい合図なのだとか。
受け方にも作法があるそうなので、参加した会で聞いてみるとよいかもしれません。
毎月第2日曜日は妙見寺へ!
ご住職のお勤めの都合で週が変わることもありますが、この坐禅会は2024年から毎月の定例行事となっています。
特に2回目の坐禅の時間は気が散るし、いろんな考えや思い付きが浮かんでは消え浮かんでは消えして、とにかく全くクリアになることがありませんでした。
これは通ってトレーニングしていくしかないですね…
事前申し込みはいらず、良い気づきもあるので、ぜひ皆さんも体験してみてください。
妙見寺の歴史についての情報を仕入れてから参加すると、より思いが深まるかもしれません。
最新の情報は妙見寺の公式ホームページやインスタグラムで確認できます。妙見寺のSNSもチェックしておきましょう!
曹洞宗 妙見寺公式ホームページ
曹洞宗 妙見寺Instagram
アクセス
名称 | 天白山 妙見寺 |
所在地 | 〒583-0991 大阪府南河内郡太子町春日1624 |
電話番号 | 0721-98-0733 |
地図 |