寒風が吹きつける1月~2月は、稲作に害を及ぼすジャンボタニシを効率よく減らせる絶好のチャンスです。

土を細かく起こし、越冬中の貝を寒さや乾燥にさらすことで、春以降の被害を大幅に抑えられます。

この記事では、冬季に耕うんするメリットやジャンボタニシの特徴、そして注意点などを説明・ご紹介します。

ジャンボタニシとは?

ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)は、台湾原産の大型淡水貝で、殻が6~8cmほどにもなる外来種です。

そして、ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)は、水面より少し上の位置に鮮やかなピンク色の卵塊を産みつけるのが大きな特徴です。

コンクリートの壁面や水田の畦、植物の茎などに塊状に産卵し、一つの卵塊には数百から数千個もの卵が含まれることも珍しくありません。

この鮮やかな色には捕食者を遠ざける効果があるとされ、約1~2週間ほどで孵化した稚貝は水中へ落ちて行動を開始します。

卵塊は乾燥に比較的強く、雨や日差しの少ない環境でも長期間、生存できるため、気づいたときに早めに除去することがジャンボタニシの対策として重要です。

さて、ジャンボタニシの一番の問題は、稲の苗を食害することです。

これは、農家の方にとって深刻な被害をもたらします。

寒さにはやや弱いものの、水や土中で越冬が可能

春になると活動が活発化し、苗の成長期に大きなダメージを与えます。

なぜ冬季耕うんが有効?

寒風で乾燥させる

越冬中の貝を地表にさらし、乾燥や寒さで死滅させやすくします。

春の被害を未然に防げる

苗がまだ育たない冬の時期に対策することで、農薬の使用量や手間を減らし、より持続可能な稲作に近づけます。

耕うんのポイント

  • トラクターの走行速度を遅く
    ゆっくり走らせることで、土がしっかりと起こされ、ジャンボタニシが地表に出てきやすい状態を作ります。
  • ロータリーの回転速度を上げる
    土を細かく砕くことで、貝が深く潜りにくくなり、寒風や乾燥の影響を受けやすくなります。
  • 水を溜めない工夫も重要
    厳冬期でも水が残る場所では生息し続ける可能性があります。用水路や畦周りの水をできるだけ抜いておきましょう。
ポイント 効果
トラクター走行速度を遅く – 土をしっかり起こし、貝を地表に出しやすくする 乾燥・寒風で死滅しやすい
ロータリーの回転速度を上げる – 土を細かく砕く
– 深く潜らせない
貝が潜る余地をなくす
水をためない – 厳冬期でも水があると生息
– 水路や畦周りの水抜き徹底
越冬可能な環境を減らす
定期的な点検 – 耕うん後も異常がないか確認
– 土中に取り残しがないかチェック
効果をさらに高め

おわりに

厳しい寒さが続く今こそ、ジャンボタニシ対策の絶好機。

適切な耕うんと水管理で、来季の稲作を安心して迎えましょう。

お問い合わせ先

大阪府南河内農と緑の総合事務所(農の普及課)

TEL:0721−25-1131