子宮頸がん予防のための「HPVワクチンを受けた方がいいのか、それとも副作用が心配で避けた方がいいのか…」と悩んでいませんか?

ニュースで報じられた副作用や副反応に関する過去の事例を思い出し、不安に感じている方も少なくないでしょう。

ワクチン接種は大きな決断ですし、健康に関わることで慎重になるのは当然です。

しかし、子宮頸がん予防に有効なHPVワクチンの接種機会を逃してしまった女性のために、現在は公平な接種機会を提供する「キャッチアップ接種」が実施されています。

令和4年4月から3年間にわたって行われるこの接種は、対象となる女性に無料で提供されているものです。

この機会を有効に活用するために、HPVワクチンの効果や副作用について詳しく見ていきましょう。

HPVワクチンの効果と安全性

まず、HPVワクチンの主な目的は、子宮頸がんを引き起こすヒトパピローマウイルス(HPV)感染を予防することです。

子宮頸がんの約70%はHPV16型と18型という2つのウイルスによって引き起こされますが、HPVワクチンを接種することで、これらのウイルスに対する強力な免疫を獲得できます。

WHO(世界保健機関)や厚生労働省も、このワクチンが安全であり、世界中で広く使用されていると推奨しています。

過去のHPVワクチン接種と副作用について

過去にHPVワクチンがメディアで大きく取り上げられたのは、副作用や副反応に関する報道が相次いだからです。

特に、日本では2013年に厚生労働省がHPVワクチンの積極的な勧奨を一時中断したことで、ワクチン接種に対する不安が広まりました。

ニュースでは、ワクチン接種後に体調不良を訴える若い女性たちの事例が紹介され、副作用への懸念が増しました。

過去の事例と報道内容

HPVワクチンの副作用として報告された症例には、接種後に慢性的な痛みやけいれん、運動障害などの神経症状が現れたとされるケースがありました。

このような症状を訴える人が複数現れたことで、ワクチンの安全性が一時的に疑問視されました。

具体的には、接種後に「全身の痛み」や「歩行困難」を訴えた少女たちの事例が報道され、親世代にも不安が広がりました。

その結果、厚生労働省は2013年に積極的な勧奨を控えました。

しかし、これらの副作用とワクチンの因果関係については、科学的な根拠が十分に示されなかったことから、2021年に厚生労働省は再びHPVワクチンの積極的な接種推奨を再開しています

副作用が発生する確率

日本国内での副作用報告を見てみると、重篤な副反応は極めてまれであることが分かっています。

厚生労働省のデータによれば、100万回の接種あたり、深刻な副反応の報告は約3件です。

この数字は、他のワクチンに比べて高いわけではなく、HPVワクチンのリスクが特別に高いとはいえません。

主な副作用としては、接種部位の腫れや発熱、頭痛が報告されていますが、これらは数日で改善する軽度の症状がほとんどです。

また、欧米を中心に大規模な研究が行われており、100万人以上の接種データを分析した結果、HPVワクチンは安全であり、子宮頸がんの予防に非常に効果的であることが確認されています。

例えば、オーストラリアではHPVワクチン接種の普及により、若い女性の子宮頸がんの発症率が大幅に減少しています。

現在の対策と安全性の確認

現在、厚生労働省はHPVワクチンの安全性についても慎重にモニタリングを続けており、医療機関にも詳細な副反応の報告を義務付けています。

また、接種後に何らかの症状が出た場合には、医師による診察と適切な治療を受けることが推奨されています。

HPVワクチンの副作用が完全にゼロとはいえませんが、その発生率は低く、ワクチン接種による効果が副作用のリスクを大きく上回るとされています。

ワクチンを打つかどうかの判断に向けて

ニュースで取り上げられた副作用や副反応の事例が、接種に対する不安を増す要因になっているのは理解できます。

しかし、現在のデータと研究結果を見ると、HPVワクチンは非常に効果的かつ安全なものであり、子宮頸がん予防に大きく貢献しています。

リスクをよく理解した上で、かかりつけの医師と相談しながら、自分にとって最良の選択をすることが大切です。

キャッチアップ接種の対象者と無料接種の機会

現在、令和4年4月から開始されたキャッチアップ接種では、過去に接種機会を逃した平成9年4月2日~平成20年4月1日生まれの女性が対象となっています。

これは、積極的な勧奨が一時的に中断されたことで、HPVワクチンを受けられなかった方々に対して、公平な接種機会を提供するための取り組みです。

このキャッチアップ接種は無料で受けることができ、接種期間は令和7年3月31日までと限られています。

太子町にお住まいの方は、 富田林医師会所属の各実施医療機関にて予防接種が可能です。

詳しい病院名や、ワクチンに関する質問は太子町保健センターいきいき健康課にまでお問い合わせください。

対象者 平成9年4月2日~平成20年4月1日生まれ
(過去にHPV ワクチンを合計3回受けていない女性)
接種回数 3回(1回、または2回接種済の人は残りの回数)
接種期間 令和7年3月31日まで
接種場所 富田林医師会所属の各実施医療機関
問合せ先 いきいき健康課 ☎0721-98-5520

おわりに

HPVワクチン接種は、子宮頸がん予防に大きく貢献する可能性があります。

しかし、不安な点がある場合は、無理をせずに専門家と話し合い、自分にとって最良の選択をしてください。

キャッチアップ接種の機会は期間限定なので、このチャンスを有効に活用し、しっかりと検討してみましょう。

詳細については、いきいき健康課までお問い合わせください。