大阪府太子町の自然を紹介する太子ネイチャー、第31回は「ツユクサ」です。
道端や畑でよく見かける色鮮やかな青の小さな花をご存じですか?
美しい青が特徴のこの花はツユクサといい、万葉集に登場するほど日本では古くから親しまれています。
ツユクサってどんな花?
ツユクサはツユクサ科・ツユクサ属の植物で温帯地域である東アジア原産の花です。
高さは約15センチ〜50センチで、7月〜9月にかけて道端などで見かけることができます。
漢字では月草や露草、鴨跖草と表記され、別名蛍草(ホタルグサ)とも呼ばれていますね。
ツユクサの花は朝に咲き、その日の午後には花がしぼんでしまうという特徴があります。
古来の日本では、ツユクサの綺麗な青色を使用して衣を青く染めていました。
万葉集に登場する花
万葉集とは現存する日本最古の歌集として有名ですが、この歌集の9首でツユクサが詠まれています。
月草(ツユクサ)で染めた縹色(はなだいろ)の着物は、水で簡単に落ちやすいことから、人の心変わりに例えたり、この世のはかない命を表す表現法としてツユクサが詠まれていました。
ツユクサで遊ぼう!
子どもの頃にツユクサの花を絞って色水を作ったことはありませんか?
ツユクサには不思議な特性があり、朝に咲いた花が正午を過ぎると閉じはじめます。
そしてなんと花がしぼんで閉じてくる時に、花びらから青い液が滲み出てくるのです。
ティッシュで少しこするだけでも綺麗な青がつくので楽しいですよ。
花の液が付着したティッシュを水の入った紙コップに入れるとジワっと染められた青が色を出します。
植物の不思議な性質を観察しながら色遊びや染め物を気軽に体験できるため、自然で遊ぶにはピッタリの植物です。
道端や溝の中でツユクサを見かけた際にはぜひ観察してみませんか。