太子町の「聖和台2丁目バス停」付近で、季節外れの桜が咲いていることをご存知ですか?
こんな「冬の寒い時期に桜?」と思ってしまいますが、実はその昔、桜は秋から冬にかけて咲くものだったという説があります。
古き良き時代から現在までしっかりと根を張り、秋に開花する桜を太子町で見ることができます。
真っ赤に燃える紅葉も素敵ですが、とても珍しい「冬桜(フユザクラ)」を見にでかけませんか?
桜は秋冬に咲いていた?
「昔、桜は秋冬に咲いていた」とする説があります。
確かに、日本の歴史について記された「日本書紀」には秋に咲く桜についての文献が残っています。
しかし現在ではなぜ春に咲くようになったのでしょうか。
日本に自生する桜のルーツは一年を通して温暖な気候であるヒマラヤの「ヒマラヤザクラ」が祖先に近いだろうとされています。
この「ヒマラヤザクラ」の開花時期は秋だったのです。
日本はヒマラヤと比較して冷涼乾燥な土地であるため、桜は日本の土地で生き残るための工夫をこらしました。
日本で厳しい寒さが続く期間はエネルギーを溜めて休眠し、春に向けての準備期間を得ることで冬をやり過ごしたというのです。
こうして本来秋に開花していた桜は日本の冬を越すために春咲になりました。
しかし秋に咲く桜が全てなくなったわけではありません。
日本の厳しい寒さに負けない桜は「冬桜」といい、11月から2月頃まで花をつけます。
冬桜とは
冬桜は「秋から冬」、「秋から春」、さらに「秋と春の一年を通して二度咲く」といった3つの種類のものがあります。
桜の種類や自生する土地によって開花時期と開花期間に個体差がありますが、冬桜は総じて秋から冬にかけて開花するものを指しています。
「秋や冬といった季節外れの時期に桜が咲いているな」と思う時は、だいたいこの冬桜であることが多いです。
秋に咲く桜は古くから「霊木(れいぼく)」と呼ばれ大切に守られてきました。
「狂い咲き」と「冬桜」は違う
秋に開花する桜はよく「狂い咲きなのかな?」と勘違いされることがあります。
いったいどのような違いがあるのでしょうか。
「狂い咲き」
狂い咲きとは毎年春に開花する桜が、季節外れの時期に誤って開花することを表現する言葉です。
狂い咲きのメカニズムは、夏に台風や虫の影響で桜の葉っぱをほとんど落としてしまうことで冬越を促す桜のホルモンが供給されず休眠できないことが原因とされています。
植物ホルモンが少ないまま秋の暖かい日が続くことで季節外れに開花してしまうのです。
まとめ
本日は冬の太子町に鮮やかな色を添える「冬桜」をご紹介しました。
春の桜が咲く期間は10日〜14日と短いですが、「冬桜」は3ヶ月以上もの間長く花をつけて人々を楽しませてくれます。
冬の冷たい空に負けることなく咲く冬桜は太子町「聖和台2丁目バス停」の近くで満開に咲いています。
春の訪れまで咲き続ける桜をどうぞ見上げに行ってみてくださいね。