
「揚げ物の油はそのまま捨てるしかない」と思っていませんか?
実は、使い終わった食用油を集めてバイオ燃料にリサイクルすれば、ごみの減量と温室効果ガスの削減を同時にかなえられます。
そこで太子町・河南町・千早赤阪村の3自治体は、植物油リサイクルの専門企業 植田油脂株式会社 と手を組み、家庭から出る廃食用油の常設回収をスタートさせることになりました。
この記事では、協定の背景から回収方法、リサイクルのメリットまで分かりやすく解説します。
3つの自治体と一社がタッグを組む理由
① 広域で集めればムダなく活かせるから
1つの町だけでは集まる廃食油の量が少なく、リサイクル工場へ運ぶ手間や燃料がわりに合いません。3町村が同じルール・同じ回収箱で一緒に集めれば、十分な量を効率よくストックできるので資源として無駄が出ません。
② “循環型社会”を地域全体で進めるため
今回の協定は、3町村でつくる「南河内地域2町1村未来協議会」の環境プロジェクトの一環です。家庭で使い終わった油を焼却ごみにしないで燃料へ生まれ変わらせる――循環型社会(サーキュラーエコノミー)の実践を、自治体が垣根を越えて広げようという狙いがあります。
③ リサイクルのプロ『植田油脂』と組めば、集めた油が確実に“高品質な燃料”になるから
植田油脂株式会社は、使用済み食用油をバイオディーゼル燃料や航空燃料(SAF)に精製する技術と実績を持つ専門企業です。同社が燃料化までを一手に引き受けることで、「集めたはいいけれど処理先がない」という心配がありません。廃食用油はバイオ燃料、ペットボトルは新たなペットボトルへ生まれ変わります。
この3つの理由から、自治体と企業がタッグを組み、4月1日スタートの家庭用廃食油リサイクル回収が実現しました。
いつから? どこで? 持ち込み方法をチェック
回収は 2025 年4月1日(火)から 常時実施されてます。
太子町では役場 2 階の環境農林課前に、河南町・千早赤阪村でもそれぞれの庁舎内に専用リサイクルボックスを設置。
役場が開いている平日09時00分~ 17時30分の間なら、いつでも持ち込めます。
手順はとても簡単。揚げ物などで使った油を十分に冷まし、ペットボトルやフタ付き容器に移してから持参し、ボックスに入れるだけです。
費用はかかりませんし、受付での手続きも不要なので、買い物や手続きで役場を訪れたついでに気軽に利用できます。
出していい油・出せない油
回収できるのは 天ぷら油やサラダ油、こめ油、オリーブオイルなどの液体の食用油です。
使用済みでも未使用でも構いませんが、揚げかすや水分はできるだけ取り除いておくとリサイクルの品質が上がります。
一方で マヨネーズやドレッシングなどの加工品、ラードやショートニングなど固形の油脂、ガソリン・灯油・エンジンオイルなどの鉱物油 は回収対象外となります。
迷ったときは環境農林課へ問い合わせて確認しましょう。
問い合わせ窓口
協定や広域連携全体について詳しく知りたい場合は 秘書政策課(TEL 0721‑98‑5531) 。
実際の回収方法やボックスの場所については 環境農林課(TEL 0721‑98‑5522) が窓口となっています。わからない点は気軽に問い合わせてみてください。
まとめ
使い終わった揚げ油をただ燃えるごみとして捨てていた暮らしから、資源として循環させる暮らしへ――。
ペットボトル一本分の油でも立派な再生燃料の原料です。
4月1日以降は、冷めた油を容器に移し替えて役場へ持って行くだけで、地域のごみ減量と地球温暖化対策に貢献できます。
ご家庭のキッチンから始まるサーキュラーエコノミーに、ぜひご協力ください。