太子町の自然をご紹介する太子ネイチャー、第59回は「ナガミヒナゲシ」です。
さて、前回の太子ネイチャーは、「白色あじさい」という、色素を持たない紫陽花をご紹介しました。
今回は、「ナガミヒナゲシ」というケシ科のオレンジ色をした花のご紹介です。
写真は、太子町の春日地区にて撮影しました。
ナガミヒナゲシ
ナガミヒナゲシは、別名「虞美人草(ぐびじんそう)」とも呼ばれています。
虞美人草は、中国の古代物語にその起源を持ちます。
楚の領主であった項羽の恋人、虞美人と関連付けられています。
伝説によると、項羽が戦いに敗れた後に虞美人が命を絶った際、彼女の血が染み込んだ地からこの草が生えて花が咲いたとされています。
そのル由来通り、ナガミヒナゲシは色鮮やかなオレンジの花を地上にたくさん咲かせます。
それでは、ナガミヒナゲシの基本情報と、その魅力について深く掘り下げていきます。
ナガミヒナゲシの特徴
まず、この花はは特有の細長い花弁が特徴です。
この花に似た植物である「ポピー」は皆さんご存知ですよね。
ナガミヒナゲシはポピーの一種で、ヒナゲシと同じケシ科・ケシ属に属する外来種です。
ポピーはケシに品種改良された園芸植物で、ナガミヒナゲシはヨーロッパ外来植物なんですよ。
ナガミヒナゲシはどこの花?
上記でも述べたよう、ナガミヒナゲシは元々ヨーロッパや地中海地方を原産地としています。
いつ日本へ?
ナガミヒナゲシがいつ日本に入ってきたかは、まだ明かされていません。
一番最初は、1961年の世田谷で発見されたという情報のみ残っています。
近年では、ほぼ日本全土に広がっているため見かける機会が増えました。
開花時期
ナガミヒナゲシは春から初夏にかけて開花します。
特に5月から6月にかけて満開に咲き乱れます。
花言葉
ナガミヒナゲシの花言葉は「慰め」や「静けさ」です。
その穏やかな色合いと形が、心を落ち着かせる効果を象徴しています。
ナガミヒナゲシは外来種
この植物は非常に繁殖力が強く、1つの個体から最大で15万粒の種を生み出します。
また、他の植物の成長を妨害する物質を根から分泌するため、一度生えると地域の生態系に悪影響を与えることがあります。
注意!ナガミヒナゲシの取り扱い
ナガミヒナゲシには、アルカロイド性の有毒物質が含まれています。
そして、この物質は害虫や動物から自身を守るために用いられます。
そのため、素手で触ると肌にかぶれる恐れがあるんですよ!
茎を折ったり触ったりする場合は、必ず手袋を着用しましょう。
駆除方法
自宅の庭などで不要に生育している場合は、種ができる前に根こそぎ抜き取ります。
そして、ビニール袋で密封した後、可燃ごみとして処理することが効果的です。
すでに種が形成されている場合には、種が周囲に散らばらないように十分注意しながら駆除作業を行いましょう。
その際も同様に手袋を着用して皮膚への接触を避けるようにしてください。
ナガミヒナゲシまとめ
この記事では、ヨーロッパ地中海沿岸原産の外来植物であるナガミヒナゲシについて紹介しました。
鮮やかなオレンジ色の花を春に咲かせ、その美しさで多くの人々を魅了します。
しかし、強い繁殖力と他の植物の成長を抑制する特性が生態系に与える影響も無視できません。
また、アルカロイド性の有毒物質を含むため、取り扱いには特に注意が必要です。
ナガミヒナゲシの美しさを楽しむためには、その特性を理解し、適切に対応することが重要です。