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【2025年保存版】大阪府太子町まるごと観光マップ ― 歴史と自然にふれる太子町の12スポットガイド ―

太子町観光マップ122025

大阪府の南東部に位置する太子町は、聖徳太子ゆかりの史跡と里山の穏やかな風景が調和した、まるで1400年の時を閉じ込めたタイムカプセルのような町です。

日本最古の官道「竹内街道」や数々の皇族陵墓が点在し、町を歩くごとに古代から現代までの時の流れを肌で感じることができます。この記事では、初めて太子町を訪れる方でも楽しめる12のおすすめスポットをジャンルごとに厳選してご紹介します。

気になる場所を見つけたら、自分だけの散策プランを立てて、歴史の息づく町へ出かけてみてください。

太子町の主な観光スポット12

番号 スポット名 ジャンル 主な見どころ
叡福寺・聖徳太子御廟 歴史・信仰 聖徳太子が眠る墓所と、御廟を守るための寺院
竹内街道 歴史・街歩き 日本最古の官道として知られる歴史道
道の駅 近つ飛鳥の里・太子 物産・休憩施設 旅の休憩と土産探しに便利な道の駅
科長神社 神社 二上山信仰と関わりの深い古社
梅鉢御陵〈王陵の谷〉 古墳・陵墓 6〜7世紀の天皇陵が集まる歴史的な陵域
竹内街道歴史資料館 資料館 竹内街道の歴史体験ミュージアム
二上山(万葉の森) 自然・登山 万葉集にも詠まれた二上山の自然景観
上の太子観光みかん園 体験 関西最大級のみかん狩り体験施設
妙見寺 寺院・文化活動 蘇我馬子創建といわれる歴史ある寺院
正泉寺 寺院・文化活動 十一面観音が見守る美しいお寺
竹内街道灯路祭り 年間行事 秋に開催される灯ろうイベント
石造道標めぐり 街歩き 江戸期以降の道しるべが町内各所に残る

叡福寺・聖徳太子御廟

叡福寺(えいふくじ)は、大阪府太子町東部に位置し、聖徳太子・母 穴穂部間人皇女(あなほべのはしひとのひめみこ)・妃 膳部菩岐々美郎女(かしわで の ほききみのいらつめ)を合葬したと伝わる「叡福寺北古墳(えいふくじきたこふん)」を守護するための寺院です。

寺伝では推古30年(622)に香華寺として創始され、奈良時代に聖武天皇の勅願で七堂伽藍 (しちどうがらん) が整えられたとされますが、実際の創建年代は平安以降とする説もあります。

さらに、江戸期には豊臣秀頼・徳川綱吉らの再建を経て、「大乗会式」(毎年4月11-12日)に代表される太子信仰の巡礼地として賑わいました。

境内西側には、太子が棺の轅を突き立てて芽吹いたという伝承をもつ楠「大乗木」が残り、数百年を経た古木として崇敬されています。なお、御廟域は宮内庁の管理下にあり、内部は非公開です。

叡福寺

アクセス

名称 叡福寺
所在地 大阪府南河内郡太子町太子2146
アクセス 近鉄南大阪線「上ノ太子」駅からコミュニティバスに乗り、「聖徳太子御廟前」で下車
または近鉄長野線「喜志」駅か近鉄バスに乗り、「聖徳太子御廟前」で下車
地図

※お手洗い・駐車場あり

竹内街道

竹内街道(たけのうちかいどう)は、「日本書紀」推古21年(613)条の「難波より京(飛鳥)に至る大道」と重なるとされる全長約26 kmの日本最古の官道です。

また、難波津へ入った唐・隋の文化や物資を飛鳥へ運んだ国策ルートで、遣隋使を務めた小野妹子らが通ったという伝承があります。

太子町域には旧道や江戸後期の格子戸町家・昭和初期の商家が混在し、道標・伊勢灯籠・古社寺が連なる散策路に今もなお残る景観です。

竹内峠を越えれば奈良盆地へ続く横大路と接続し、1400年を超えて「外交の道」「信仰の道」「経済の道」と姿を変えつつ今も地域の歴史景観を形づくっています。

竹内街道01

道の駅 近つ飛鳥の里・太子

道の駅 「近つ飛鳥の里・太子」 は、日本最古の官道・竹内街道沿いに1997年4月に開駅した休憩拠点です。

館内には地元産のぶどうや太子みかんなどの直売所、軽食コーナー、観光案内所があり、人気の好月堂「太子最中」「たいしくんどらやき」など太子町オリジナルの銘菓が購入できます。

また、遊びながら太子町の歴史を知ることができる「切り絵でめぐる太子町双六(すごろく)」「切り絵でめぐる太子町郷土史かるた」も販売中です。

月に5回だけ販売される、プラスチックごみを削減し天然の竹の皮に包まれた、懐かしいスタイルの「ふたかみ山弁当」を持って、お出かけされてもいいかもしれません。

普通車29台・大型2台の駐車場と24時間利用可能なトイレが整備され、竹内街道ウォーキングやドライブの立ち寄りスポットとして便利です。

道の駅外観

アクセス

名称 道の駅 「近つ飛鳥の里・太子」
所在地 大阪府南河内郡太子町山田2265-1
営業時間 09:00~17:00
休館日 12/31~1/3(お手洗い等は24時間利用可能)
電話番号 0721-98-2786
地図

科長神社(しながじんじゃ)

科長神社(しながじんじゃ)は、山田地区に鎮座する延喜式神名帳(えんぎしき じんみょうちょう)に登載された式内社(しきないしゃ)で、創建年代は不詳ですが、社伝ではかつて二上山山頂で「二上権現(ふたがみごんげん)」と称され祀られていました。

ここは、修験道と結びついて深い崇敬を集めたとされる神社です。

社叢に抱かれた本殿・拝殿は往時の面影を今に伝え、境内には石造物や古木が点在し、静かな雰囲気が漂います。

例祭は毎年7月24〜30日の間の日曜日に斎行され、御祭神を乗せた神輿が町内を巡行し、氏子五町のだんじりが随行して勇壮な曳行を披露します。

太鼓と囃子が鳴り響く祭列は迫力満点で、地域の人々が一体となって受け継ぐ伝統を体感できるでしょう。

科長神社(しながじんじゃ)

アクセス

名称 科長神社
神社コード 11011
鎮座地 〒 583-0992 大阪府南河内郡太子町大字山田3751
アクセス 近鉄南大阪線「上ノ太子駅」よりコミュニティバスで「科長神社口・ふくの音前」で下車
地図

梅鉢御陵—別称:王陵の谷

大阪府太子町の磯長谷(しながだに)には、敏達用明推古孝徳四天皇陵と聖徳太子御廟の五古墳が密集し、上空写真では梅の五弁のように並ぶことから総称して 「梅鉢御陵(うめばちごりょう)」 と呼ばれます。

また、皇族陵墓が集中する景観から別名「王陵の谷(おうりょうのたに)」とも言われるようになりました。

これらの陵は6世紀後半〜7世紀前半の造営で、いずれも宮内庁の管理下にあり墳丘内部は非公開です。谷あいの小径や竹内街道の側道が整備されており、主要5陵を外周から順に巡れば徒歩1〜1時間半ほど(約2km)で一周できます。

静かな歴史散策に適した場所のため、三脚の使用や大声は控え、皇陵への敬意を持って参拝しましょう。

竹内街道歴史資料館

竹内街道歴史資料館(たけのうちかいどうれきししりょうかん)は、1993年3月3日開館の町立施設で、竹内街道整備事業の一環として街道脇に設けられました。

館内は四つのゾーン「石の道」「最古の大道」「太子信仰の道」「人々の生活の道」に区分され、マルチビジョン映像や古写真、石製品・土器・仏像などを用いて、官道の誕生から現代までを立体的に紹介しています。

さらに、第1展示室では、石畳復元模型やマジックビジョンで街道の変遷を俯瞰でき、第2展示室では太子町内出土の遺物や古文書を常設し、秋季には企画展を開催しています。

館外へ出ると、実際の竹内街道がすぐ横を通り、展示内容を現地で確かめながら散策できるのも大きな魅力です。

竹内街道歴史資料館には「友の会」があり、年会費2,000円で入会すると講演会や多彩な企画に参加できます。

竹内街道歴史資料館外観

アクセス

名称 竹内街道歴史資料館
所在地 大阪府南河内郡太子町山田1855
電話番号 0721-98-3266
開館時間 9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日 毎週月曜日(その日が休祝日の場合は開館) 年末年始(12月28日~1月4日)
入館料 一般200円、高大生100円、小中学生50円(特別展示期間中は入館料変更の場合あり)
アクセス 近鉄南大阪線「喜志駅」か「上ノ太子駅」からコミュニティバスに乗り「六枚橋東」で下車 徒歩10分
地図

二上山 万葉の森

二上山(にじょうざん)は大阪府太子町と奈良県葛城市にまたがる双耳峰で、北側の雄岳は標高517 m、南側の雌岳は474 mです。

古くから神聖視され、「万葉集」には大津皇子をはじめ複数の歌が残り、皇子が葬られた地としても知られています。

太子町側の登山口「万葉の森」から雌岳へ向かう表ルートは、所要1時間程度で初心者でも安心。途中の岩屋峠でダイヤモンドトレイルと合流し、馬の背の稜線をたどると雄岳・雌岳の両頂へ縦走できます。

また、このダイヤモンドトレイルは金剛山地を縦走する全長約45 kmの長距離ルートで、二上山区間は起点・終点いずれの方向へも接続可能です。

毎年春には「岳のぼり」が開催されています。万葉の森駐車場・トイレが整い、家族連れや歴史ファンのハイキングにも最適ですが、急変する天候に備えた装備と余裕をもった行動計画を心掛けてください。

二上山万葉の森マップ

アクセス

名称 二上山万葉の森
所在地 〒583-0992 大阪府南河内郡太子町山田
アクセス 近鉄南大阪線「上ノ太子」駅から子町コミュニティバスの畑・山田役場線にのり「孝徳天皇陵前」で下車
地図

上の太子観光みかん園

上の太子観光みかん園は、大阪府太子町の南向き丘陵に広がる観光農園です。

昭和39年に地域農家34戸が大平開墾組合を結成して造成を始め、昭和43年に開園しました。現在では約1万本のみかんの木を有し、関西最大級と評されます。

毎年10月1日から11月30日までの2か月間開園し、秋の味覚「太子みかん」を時間無制限で収穫・食べ放題できます。

アスレチックやバーベキューコーナー、直売所も併設され、家族で一日楽しめる体験型スポットです。個人入園は予約不要ですが、団体利用やバーベキューは事前予約が必要です。

太子みかん園開園横断幕

アクセス

名称 上の太子観光みかん園
所在地 〒583-0991 大阪府南河内郡太子町春日443
開園時間 9:00 ~ 16:30
電話番号 0721-98-2552
入園料 大人(中学生以上)1,000円  団体料金 900円
子供(小学生)900円  団体料金 810円
子供(3才以上~小学生まで)700円  団体料金 630円
アクセス ・近鉄南大阪線「上ノ太子駅下車」 徒歩20分
・南阪奈道路太子ICから約2分
※駐車場(約350台収容)あり《大型バス15台駐車可》
※ペットの入園不可
地図

妙見寺

推古6年(598)に蘇我馬子が開いたと伝わる曹洞宗のお寺です。

ご本尊は十一面観音菩薩で、本堂右手には北辰妙見大菩薩を祀るお堂が並び、妙見信仰の面影をとどめています。江戸期に再興されて以降、妙見菩薩への信仰は航海安全や方位除けを願う庶民の厚い崇敬を集めました。

また、妙見寺(みょうけんじ)では、月例行事やイベントが充実しています。

  • 座禅会:毎月第2日曜日 7:30〜8:30。住職の作法説明のあと15分坐禅→経行→15分坐禅→読経という流れで、終了後は茶話会があります。事前申込不要で動きやすい服装推奨です。
  • うたごえの会:毎月第3水曜日 10:30〜13:00。ピアノ伴奏で昭和歌謡や唱歌を合唱するイベントです。歌集貸出・弁当付き。宗派や年齢を問わず参加でき、地域交流の場として定着しています。(要予約)

静かな寺域で心を整えたい方は、座禅の朝か、歌声あふれる午後を選んで訪れてみてはいかがでしょうか。

妙見寺の門(夕刻)

アクセス

名称 妙見寺
所在地 〒583-0991 大阪府南河内郡太子町春日1624
電話番号 0721-98-0733
アクセス 近鉄南大阪線「上ノ太子駅」からコミュニティバスに乗り「竹内街道春日西」で下車、徒歩15分
地図

正泉寺

正泉寺(しょうせんじ)は、鎌倉時代に真言宗寺院として開かれ、江戸中期に楠木氏の末裔とされる僧侶・正成の入寺を機に真宗大谷派へ改宗した歴史をもつ寺院です。

ご本尊は美しい十一面観音菩薩、そして本堂裏手には「鶯の陵」とも呼ばれる孝徳天皇陵が控え、古代政治と仏教の接点を今に伝えています。

  • うたごえの会:毎月第4水曜日 10:30〜13:00。ピアノ伴奏に合わせ、参加者全員で昭和歌謡や唱歌を合唱。歌集の貸出と弁当付きで、年齢・宗派を問わず参加できます(要予約)。

檜の香りが残る本堂で声を合わせれば、世代を超えた温かなつながりが生まれるでしょう。

正泉寺(しょうせんじ)

アクセス

名称 正泉寺
所在地 〒583-0992 大阪府南河内郡太子町山田1769
電話番号 0721-98-1409
アクセス 近鉄南大阪線「上ノ太子駅」からコミュニティバスに乗り「孝徳天皇陵前」で下車、徒歩5分
地図

竹内街道灯路祭り

竹内街道灯路祭りは、日本最古の官道といわれる竹内街道をほのかな灯ろうで浮かび上がらせる太子町秋恒例のライトアップ行事で、2009年の第1回以来毎年10月中旬〜下旬に開かれています。

春日西交差点から道の駅「近つ飛鳥の里・太子」まで約 2.3 km の街道沿いに住民手づくりの灯ろうおよそ 3,000 基が並び、伊勢灯ろうや地蔵堂、古民家の軒先まで柔らかな光が連なるさまは幻想的です。

祭りは「歴史ある街道景観を後世へ残そう」という趣旨で始まり、運営は地域住民や学生・ボランティアが担っています。

かつては、聖徳太子や蘇我馬子に扮した時代行列が目玉の一つでしたが、コロナ禍を挟んだ近年の開催プログラムには行列が組まれておらず、点灯式・音楽ライブ・軒下ギャラリー・夜市などが中心になっています

天候や運営体制により催しの内容は毎年変わるため、最新の実施情報は太子町観光協会の公式サイトで確認すると安心です。

竹内街道灯路祭り

石造道標めぐり

太子町内には、江戸時代後期から明治時代初期にかけて建立された石造の道標が40基以上現存しており、町内を歩きながらその歴史を辿ることができます。

これらの道標は、当時の巡礼者や旅人が目的地を確認するために用いたもので、「右 伊勢 左 大坂」など、かつての主要信仰地や町への案内が刻まれています。

中には「太子講」「伊勢講」などの奉納銘が見られ、庶民による信仰活動や観光の痕跡を今に伝えています。多くは花崗岩で作られており、風雨にさらされながらもその姿を保っているのが特徴です。

道標の配置は観光マップや町内の観光案内所で確認でき、舗装された歩道や石畳道と組み合わせた散策コースとして親しまれています。

竹内街道歴史資料館でも、道標について学ぶことができます。

井関の道標

太子街人の会による案内ボランティアの活用

町歩きをより深く楽しみたい方には、「太子街人の会(ガイドのかい)」による観光案内ボランティアの利用もおすすめです。

太子街人の会は、地元の歴史や文化に精通した有志のガイドグループで、叡福寺や竹内街道、石造道標などを実際に案内しながら、地域に伝わる物語や歴史背景を解説してくれます。

観光マップやパンフレットだけでは得られない、土地に根ざした視点からの案内は、旅の理解を深める貴重な機会になります。

案内は事前申込制で、団体・個人どちらでも依頼可能です。所要時間やルートも柔軟に対応してもらえるため、興味のあるテーマや時間に合わせた観光が可能です。

ガイドの申し込み方法

①メールでの申し込み info@taishi-kankou.jp

②FAXによる申し込み FAX 0721-26-08052

申込用紙はこちらからダウンロードできます。

それぞれ、氏名、住所(団体の場合、団体名、所在地)、連絡先、希望日時、参加人数、年齢、打合せ場所、待ち合わせ場所、雨天の場合、交通手段、案内コースを記入の上ご連絡ください。

太子街人の会

まとめ

太子町には、史跡や自然、文化体験まで多彩な魅力がぎゅっと詰まっています。歩くほどに古代と現在が交差し、どこか懐かしくも新鮮な風景が広がります。

今回ご紹介した12のスポットは、訪れるたびに異なる表情を見せてくれる場所ばかり。季節や時間帯に応じて、あなただけの楽しみ方を見つけてみてください。

歴史や自然にふれながら、五感で感じる太子町の一日を、ぜひ体験してみてはいかがでしょうか。